2012年4月20日金曜日

ソーの屋敷街。バルタールの家。ギマールの廃屋。

桜を見たついでにソーの住宅街を少し歩いた。
ソー公園の城館は、20世紀初頭の改修のときに屋根の形が変えられていたけれど、今、17世紀の原型に復元工事中です。このコルベール卿の居城とその庭園の周りにあるソーの街には、17世紀以来の立派な屋敷がたくさん並んでいるのです。
すごいなー、でかいなー、ごーかだなー。でもこんなに大きくちゃ掃除するのも大変だよね、と(由)が言う。

19世紀後半の家。











たしかにデカすぎる。










これは18世紀半ばでしょうね。



























上の18世紀の館の藤が、隣の家の塀にも長く伸びている。隣の塀の家は、パリの中央市場レ・アルの建築家ヴィクトル・バルタールが設計した自邸。鉄骨とガラスのレ・アルは、19世紀半ばの最先端建築だったけれど、この家は伝統的な石造り。でも瓦屋根の上にベルヴェデール(展望室)が突き出ているのがユニークです。
バルタールの家の庭はやたらに広い。











ヴィラ・バルタール 1859年。






















ソー駅の東、リセ通りの端の三角地には、ギマールが設計した「シャレ・ブラン」がある。この家が空家になっていたのを思い出して、その後どうなったかな、と見に行った。
ところがブラン(白い)荘は、ほとんど幽霊屋敷。伸び放題の庭木で入口の門も隠れそう。建物の姿もほとんど見えなくなっている。道路に面した木製の柵は、バラバラに壊れていて、鉄棒と金網でいい加減に押さえられている。
Chalet Blanc は、1908年。











門扉も埋まってしまいそう・・・。










横木の曲線がきれいだったのに。


























一段低い裏手の道路側の、駐車場や裏口の扉はラクガキだらけ。見上げるとせっかくのギマール・デザインの窓枠や屋根もかなり損傷が進んでいる。
石、レンガ、木、鉄、異素材の組み合わせもギマール印。












大きなガラス窓のサロンもお化けの部屋です。






















きっと持主に事情はあるんだろうけど、歴史記念物指定の建築だというのに、いったいこれはどうなっているんだろ。お金持ちの町ソー市と、フランスでいちばんオカネのあるというオー・ド・セーヌ県さん、なんとかして下さい。
もっとも、ビンボーな隣町バニューのわが家もだいぶ老朽化してあちこちガタが来ている。きっと持主に事情があるんです。(宏)

1 件のコメント:

  1. 稲葉さん、おもしろすぎます!ウイットに富んだ文章、サイコー!!

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